同じぎっくり腰でもタイプが違う?|発症の3パターンと痛みが広がる仕組みを解説(調布市・国領駅)
こんにちは、三華堂の早川です。
寒さや気圧の変化が強くなる季節になると、ぎっくり腰のご相談が一気に増える時期でもあります。
一口に「ぎっくり腰」といっても、実際にはその発生パターンはさまざまです。
ある人は 洗顔の姿勢で突然動けなくなるタイプ、
またある人は 数日かけてじわじわ痛みが強くなり、気付いたら歩けないほど悪化していたタイプ。
さらに、痛みは強くないまま“長く尾を引くタイプ” や、
治ったと思っても2〜3か月で再発してしまうタイプ など、症状の出方は十人十色です。
京王線沿線(国領・調布・布田・狛江・府中)から来院される患者さんでも、
これらのパターンが入り混じり、「自分はどれに当てはまるのか?」と不安を抱える方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、三華堂で実際に多く見られる ぎっくり腰の発生パターンを3つ に分け、
それぞれの特徴・原因・注意点をわかりやすく解説していきます。
「ただのぎっくり腰」と思って放置してしまうと、再発・慢性化のリスクが高まります。
まずは、自分がどのタイプに当てはまるのかを知るところから、一緒に整理していきましょう。
◆パターン①:突然襲ってくる“瞬間型”ぎっくり腰
(洗顔・くしゃみ・荷物を持った瞬間に動けなくなるタイプ)
前述の「ぎっくり腰にはさまざまなパターンがある」という話の中でも、
最も多くの方が経験しやすく、そして最も恐ろしいのが “突然型”のぎっくり腰 です。
これは、
・洗顔で前かがみになった瞬間
・床の物を拾おうとした時
・子どもの抱っこをした瞬間
・くしゃみや咳をした瞬間
こうした ごく日常の動作 をきっかけに、「バキッ」「ズキッ」と腰に衝撃が走り、
そのまま動けなくなるタイプのぎっくり腰です。
◆なぜ“あんな軽い動作”で起こるのか?
多くの方が「重い物を持ったわけでもないのに…」と驚かれます。
しかし突然型ぎっくり腰の正体は、直前の動作ではなく“それ以前の疲労蓄積” にあります。
実は、
・長期間のデスクワーク
・睡眠不足
・冷え
・ストレス
・育児の負担
・運動不足
これらの要因が積み重なることで、腰の深層筋(多裂筋・腰方形筋)が限界まで固まっている状態 に陥ります。
その結果、わずかな前屈動作でも支えきれず、
「最後のひと押し」で激痛が発生する――
これが突然型ぎっくり腰のメカニズムです。
◆発生時の特徴
突然型ぎっくり腰には、次のような特徴があります。
前屈や起き上がりがまったくできない
一歩踏み出すだけで腰に響く
腰が抜けそうな不安感がある
体を支える深層筋がロックされて動けない
痛み止めを飲んでもほとんど変わらないことも多い
急性度が高いため、湿布だけでは改善しないケース も少なくありません。
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以下の記事では、突然の腰痛が「ぎっくり腰かどうか」を見分けるポイントや、急性期の正しい対処法を詳しく解説しています。
もう1つ、深層筋のこりが原因になるケースについての理解が深まる関連記事です。
◆突然型ぎっくり腰でやってはいけない行動
症状を悪化させる典型例は次の通りです。
無理にストレッチをする
湿布だけで様子を見る
お風呂で温めてしまう
動ける範囲で家事や育児を続ける
「寝て治す」ことを数日以上続ける
特に、急性の炎症が強い初期はストレッチ厳禁 です。
無理に動かすことで筋繊維がさらに損傷し、痛みが悪化します。
◆鍼灸が有効な理由 ― 深部のロックを外せる
突然型ぎっくり腰は、痛みの原因が深部にあるため、
マッサージや湿布では届きにくいのが特徴です。
鍼灸では、
・ロックしている多裂筋
・腰方形筋の深部の緊張
・骨盤まわりの血流
ここにピンポイントでアプローチできるため、
数回の施術で動作の改善を実感しやすい という利点があります。
実際、当院でも急性ぎっくり腰の患者さんは、
「翌日にはスムーズに起き上がれるようになった」
「歩くのもつらかったのに、次の日には外出できた」
といった早期の変化が多く見られます。
とはいえ、ここまでお伝えした“突然型”ぎっくり腰は、全体のパターンのほんの一部にすぎません。
中には、痛みが急に出るのではなく、じわじわと蓄積して悪化していくタイプのぎっくり腰もあります。
そしてこの“蓄積型”ぎっくり腰は気づきにくく、
放置するほど治りづらく、再発しやすい――そんな特徴があります。
それでは次に、
パターン②:じわじわ悪化する“蓄積型”ぎっくり腰
について詳しく解説していきましょう。

