五十肩だと思ったら実は首が原因?|頚椎症との見分け方と正しい対処法

「肩が痛いから、きっと五十肩だろう」と思っていませんか?
実際、肩や腕の痛みがあると多くの人は五十肩を疑います。しかし中には、原因が**首(頚椎症)**にあるケースが少なくありません。

頚椎症は首の神経が圧迫されることで、肩や腕、肩甲骨まわりに痛みやしびれを引き起こします。そのため「五十肩と同じじゃないか」と勘違いしやすいのです。誤った自己判断のまま放置したり、合わないセルフケアを続けてしまうと、改善が遅れてしまうこともあります。

この記事では、五十肩と頚椎症が間違えられやすい理由と、その見分け方、正しい対処法について解説します。

五十肩について詳しい原因や症状の流れを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
肩が上がらない?五十肩・四十肩の原因と解決法を徹底解説!

五十肩の特徴と症状|腕の前・側面・後ろに痛みが広がる

五十肩(四十肩)は正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、40〜60代に多く見られる疾患です。肩関節の周囲に炎症が起こり、動作に伴って痛みが出たり、可動域が制限されたりします。

五十肩でよくみられる症状

  • 腕の前・側面・後ろに広がる痛み
    肩を動かしたときに、腕全体に放散するような痛みが出ます。特に洗濯物を干す、ブラのホックをとめる、後ろポケットに手を入れるといった動作で強く現れることが多いです。

  • 可動域の制限
    肩の関節自体が固くなるため、腕を上げる・後ろに回す動作が難しくなります。日常生活で「肩が回らない」と感じるのが特徴です。

  • 経過の長さ
    炎症期 → 硬直期 → 回復期と時間の経過に伴って症状が移り変わり、改善まで数か月から1〜2年かかることもあります。

五十肩の痛みは、肩関節そのものが原因であるため、「肩を動かすと痛みが強まる」というのが大きな特徴です。

日本整形外科学会|五十肩(肩関節周囲炎)

頚椎症の特徴と症状|首から肩・腕・肩甲骨に広がる痛み

頚椎症は、加齢や姿勢の悪化などによって首の骨(頚椎)が変形し、神経や血管を圧迫することで起こる病気です。症状は首だけにとどまらず、肩や腕、肩甲骨まわりに広がるのが特徴です。

頚椎症でよくみられる症状

  • 上腕の外側に出る痛み
    首から伸びる神経の通り道に沿って、肩から腕の外側にかけて痛みが走ることがあります。

  • 肩甲骨の外側の痛み
    肩そのものではなく、肩甲骨の外側や背中にズキッとする痛みが出ることもあります。五十肩と間違えやすいポイントです。

  • しびれや握力低下
    神経の圧迫が強い場合、腕や手にしびれが出たり、物を落としやすくなる・ペットボトルのフタが開けにくいといった日常動作に支障が出ることもあります。

  • 首の動きで悪化する
    首を後ろに反らしたり、左右に回すと痛みやしびれが強くなるのも頚椎症の特徴です。

頚椎症による痛みは、**首の神経が原因で肩や腕に“放散する”**点が五十肩との大きな違いです。

MSDマニュアル家庭版|頚椎症

五十肩と頚椎症の間違いやすいケース|肩ではなく首が原因のことも

肩や腕に痛みがあると、多くの人は「五十肩だろう」と思いがちです。しかし実際には、頚椎症が原因で痛みが出ているケースも少なくありません。特に、症状が似ているために両者を勘違いしやすい場面があります。

間違えやすい症状の例

  • 腕の痛みを五十肩と勘違い
    五十肩は「肩が上がらない」のが特徴ですが、頚椎症では「腕の外側の痛み」や「肩甲骨の外側の痛み」が出やすく、これを五十肩と誤解してしまう人が多いです。

  • 肩甲骨の痛みを肩のトラブルと思ってしまう
    実際には首の神経圧迫による放散痛であるにもかかわらず、「肩の関節に原因がある」と思い込んでしまうケースがあります。

  • しびれがあっても見逃される
    頚椎症では腕や手にしびれを伴うことが多いですが、「年齢のせい」「五十肩だから仕方ない」と思い込み、診断が遅れることもあります。

五十肩と頚椎症の見分け方|症状の違いをチェックするポイント

五十肩と頚椎症は症状が似ている部分もありますが、注意深く観察すると違いが見えてきます。自己判断で誤解してしまうと治療の方向を誤るため、次のポイントを押さえておきましょう。

肩を動かすと痛いのか、首を動かすと痛いのか

  • 五十肩:肩を動かしたときに強い痛みが出る。特に「腕を上げる」「後ろに回す」といった動作で顕著。

  • 頚椎症:首を後ろに反らす、左右に回すなど、首の動きで痛みやしびれが悪化する。

痛みの広がり方

  • 五十肩:痛みは肩を中心に、腕の前・側面・後ろに広がる。

  • 頚椎症:肩から腕の外側、肩甲骨の外側など、神経の走行に沿って放散する。

しびれや神経症状の有無

  • 五十肩:しびれはほとんどなく、主に関節の痛みと可動域制限が中心。

  • 頚椎症:腕や手のしびれ、握力低下、細かい作業のしづらさが伴うことがある。

これらの違いを見極めると、「肩が悪いのか、それとも首から来ているのか」がより明確になります。五十肩の場合は肩関節の問題としてアプローチする必要がありますが、頚椎症であれば首の神経への配慮が欠かせません。似ているようで全く異なる原因だからこそ、正しい判断が改善への近道になるのです。

似た症状を持つ疾患としては腱板損傷もあり、五十肩との違いを理解しておくことが大切です。
五十肩だと思っていたら腱板損傷?|見分け方と対処法を丁寧に解説

肩甲骨の外側や腕のしびれがある場合は、首が原因になっているケースも少なくありません。
背中じゃなくて首? 肩甲骨の痛みから腕のしびれが出たら要注意|京王線沿線の三華堂が解説

誤診や自己判断のリスク|間違えると改善が遠回りに

五十肩と頚椎症は症状が似ているため、自己判断で「きっと五十肩だろう」と決めつけてしまう方が少なくありません。ところが実際には首の神経の圧迫が原因で痛みが出ているケースもあり、その場合は肩ばかりケアしても改善は望めません。

例えば「肩のストレッチをすれば良くなるはず」と思い込んで自己流で運動を続けた結果、かえって首への負担が増し、しびれが強くなってしまうことがあります。逆に、頚椎症なのに「肩のリハビリだけ」を続けても、根本原因にアプローチできないため回復が遅れることもあります。

また、整形外科などで「五十肩ですね」と言われても、症状が典型的でなければ注意が必要です。実際に五十肩と頚椎症を併発している人もおり、痛みの原因を一つに決めつけると正しい治療を見失うことにつながります。

自己判断や誤診は、改善までの道のりを遠回りにしてしまう大きなリスクです。だからこそ「肩の痛み」と一言で片づけず、首を含めて幅広くチェックすることが大切なのです。

自己流のストレッチで悪化するケースもあるため、正しい対処法を知っておくことが大切です。
そのストレッチ、本当に大丈夫? 五十肩を悪化させる自己流ケアと正しい対処法を解説

鍼灸でできること|首と肩を同時に整えるアプローチ

五十肩と頚椎症は原因が異なるため、対処法も変わってきます。特に頚椎症が関わっている場合、肩だけに注目しても十分な改善が得られません。こうしたときに有効なのが、首と肩の両方を同時に整えられる鍼灸のアプローチです。

鍼灸の効果

  • 首まわりの筋肉をゆるめる
    頚椎を支える筋肉が硬くなると、神経圧迫が強まり痛みやしびれが悪化します。鍼で筋緊張をやわらげることで神経の通りが改善され、症状が軽減しやすくなります。

  • 血流と循環を促す
    首から肩、腕にかけての血流が改善すると、炎症やこわばりが落ち着きやすくなります。冷えや疲労で悪化するタイプの頚椎症にも有効です。

  • 神経症状へのサポート
    しびれや感覚異常など、西洋医学では改善に時間がかかる症状も、鍼灸によって回復が早まるケースがあります。

  • 体全体のバランスを整える
    東洋医学では「首の不調は全身の気血の乱れ」とも考えられます。肩や腕だけでなく、自律神経や内臓の状態まで含めて整えることで、再発防止にもつながります。

肩の痛みが五十肩によるものか、頚椎症によるものかを正しく見極めたうえで、鍼灸なら首と肩をまとめてケアできるのが大きなメリットです。

まとめ|五十肩と思ったら首の可能性も忘れずに

「肩が痛い」「腕がズキズキする」と聞くと、多くの人がまず五十肩を思い浮かべます。確かに五十肩は40〜60代に多く見られる代表的な疾患ですが、似たような症状を引き起こす頚椎症も決して少なくありません。

五十肩は肩関節の動きで痛みが強くなり、腕の前・側面・後ろに痛みが広がるのが特徴です。一方、頚椎症では首の神経圧迫が原因で、肩から上腕の外側や肩甲骨の外側に痛みやしびれが出やすいという違いがあります。

もし自己判断で「五十肩だから仕方ない」と放置してしまうと、頚椎症による神経症状が悪化して改善が遅れる危険があります。逆に「肩のリハビリだけ」を続けても根本的な回復にはつながりません。

鍼灸は首と肩を同時に整えられるため、こうした見分けが難しいケースにも有効です。肩の痛みや腕のしびれに悩んでいる方は、自己判断せず早めに専門家へ相談してみましょう。正しい原因を見極めることが、改善への一番の近道です。

TEL 042-481-0616