目の奥が重く痛い頭痛…デスクワークでよく起こる|調布市・国領駅の三華堂が解説する原因と東洋医学の視点

🟫 はじめに

「目の奥がズーンと重い」「目の裏がジワジワ痛む」と感じたことはありませんか?
多くの方は「疲れ目」や「眼精疲労」と思い、目薬やマッサージで済ませてしまいます。
しかし実際には、頭痛の一種として目の奥に痛みが出ているケースも少なくありません。

特に最近は、パソコンやスマートフォンを長時間使う方が増え、
知らず知らずのうちに首や肩の筋肉がこわばって血流が滞り、
その影響が「目の奥の重さ」として現れる人が増えています。

また、季節の変わり目や低気圧の影響で自律神経が乱れると、
頭部の血管が拡張して、目の奥やこめかみがズキズキと痛むこともあります。

このように、目の奥の痛みには「目の使いすぎ」だけでは説明できない要素があり、
東洋医学の視点から見ると、「胆経(たんけい)」や「肝の気の滞り」といった
経絡(けいらく)の流れが深く関係していることがわかります。

本記事では、「なぜ目の奥が痛くなるのか?」という原因を、
西洋医学と東洋医学の両面からわかりやすく解説していきます。
ちなみに、調布市・国領駅すぐの三華堂はりきゅう整骨院でも、この「目の奥の頭痛」でお悩みの方が多く来院されています。

「目の奥が痛くなるのはなぜか?」――
それは単に「疲れ目」や「視力の問題」だけでなく、
頭部や首の筋肉のこわばり、経絡(けいらく)の滞り、自律神経の乱れなど、
体全体のバランスの崩れが深く関わっていることが多いのです。

ここからは、目の奥の痛みを引き起こす主な原因を、
現代医学と東洋医学の両面から詳しく見ていきましょう。

🟫 目の奥が痛む頭痛の主な原因

目の奥が痛いとき、私たちは「目を使いすぎた」「疲れ目だ」と考えがちですが、
実際には“目以外”の部分――とくに首・肩・こめかみ・自律神経・気圧変動
密接に関係していることが多いのです。

頭や顔の筋肉は細かくつながっており、
一部が硬くなるだけでも、神経や血管を圧迫して痛みを起こします。
また、頭部の血流は自律神経によってコントロールされているため、
ストレスや気候の変化で交感神経が高ぶると、血管の収縮や拡張が不安定になり、
「ズキズキ」「奥が重い」といった不快感につながります。

さらに東洋医学の観点では、目の周囲を通る経絡(けいらく)の流れも重要です。
とくに「肝」と「胆」の働きが乱れると、
額からこめかみ、そして目の外側を通る**胆経(たんけい)**の流れが滞り、
目の奥にこもるような重だるさや痛みを引き起こします。

つまり、目の奥の痛みとは単なる“目の疲れ”ではなく、
体の内外のバランスが崩れたサインとして現れているのです。


このあと、それぞれの原因をより具体的に見ていきましょう。
最初に取り上げるのは、現代人に最も多い「首肩の筋緊張」です。

🟧首肩の筋緊張(後頭下筋群・側頭筋・眼輪筋)

目の奥の痛みを訴える方の多くは、実際には首や肩の筋肉が強くこわばっていることが少なくありません。
特に「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」と呼ばれる、後頭部の深い位置にある筋肉は、
頭を支えたり、目の動きと連動したりする非常に繊細な筋群です。
この部分が硬くなると、首の可動域が狭まり、頭部への血流や神経伝達が滞りやすくなります

また、こめかみに位置する「側頭筋」も、目の奥の痛みと関係が深い筋肉です。
この筋肉は噛みしめやストレス、長時間の集中作業で緊張しやすく、
緊張が続くことで血流が低下し、痛みの原因となる乳酸などの疲労物質が蓄積します。

さらに、目の周りを取り囲む「眼輪筋(がんりんきん)」のこわばりも見逃せません。
この筋肉は、まばたきや視線の動きに関与しており、
パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることで酷使されます。
眼輪筋がこわばると、目の奥を走る視神経や動眼神経の周囲の血流が悪くなり、
目の奥に鈍い圧迫感や痛みが出る
ことがあります。

こうした筋緊張が続くと、痛みは次第に「目の奥」だけではなく、
「こめかみ」「後頭部」「首筋」へと広がっていきます。
一見すると目の不調のように見えても、実際には首・肩まわりの慢性的な緊張
発症の中心にあるケースが多いのです。

東洋医学では、この状態を「気血の滞り(けつのうっ滞)」として捉えます。
筋肉が固まることで気や血が流れにくくなり、結果として痛みや重だるさが現れます。
これは「瘀血(おけつ)」の初期段階と考えられ、放置すると慢性頭痛の原因にもなります。
以下関連記事
🟢 首の痛みは天気のせいだけじゃない?ストレートネックと低気圧の関係

 

 

🟥胆経ライン(額〜こめかみ〜目の外側)の滞り

首や肩の緊張によって血流が滞ると、次に影響を受けやすいのが**「胆経(たんけい)」の流れです。
胆経は、体の側面を縦に走る経絡のひとつで、頭部では
額からこめかみ、目の外側を通って耳の後ろへ**と続いています。
このラインは、まさに「目の奥が痛む」と訴える患者さんの多くが圧痛を感じる場所でもあります。

胆経の経絡を現したイラスト

胆経の経絡を現したイラスト(頭部のみ)

東洋医学では、「肝(かん)と胆(たん)」はペアで働く臓腑とされ、
情緒の変化やストレス、寝不足によって**肝の気が滞る(肝気鬱結)**と、
胆経にも波及して筋肉の張りや頭痛を引き起こすと考えられています。
特に「こめかみ〜目の外側〜眉上のライン(魚腰付近)」は胆経の通り道にあたり、
ここにコリや張りを感じる人は、胆経の流れが停滞しているサインです。

この滞りが起こると、頭の片側だけがズキズキするような痛みや、
「目の奥から外側に抜けるような痛み」が出ることがあります。
いわゆる片頭痛タイプの痛みも、この胆経の流れの乱れと関係している場合があります。

また、胆経は「決断」「勇気」などの精神活動とも関係があるとされ、
心身が疲れているときや、気持ちの切り替えができない状態でも流れが滞りやすくなります。
そのため、胆経の滞りを整えることは、単に痛みを和らげるだけでなく、
精神的な安定や睡眠の質の向上にもつながるのです。

臨床では、眉の上の「魚腰」や、頬の中央にある「四白」付近を軽く押さえると
「ズーンと響くような感覚」が出る方が多く、これが胆経の反応点と考えられます。
このラインの緊張を緩めることで、目の奥の重さやこめかみの痛みが軽減するケースが多く見られます。
以下関連記事
🟢 こめかみ・側頭部の頭痛に効くツボ5選

🟦 自律神経の乱れ

首や肩の筋緊張、胆経ラインの滞りが続くと、次第に自律神経のバランスにも影響が及びます。
自律神経とは、体温や血流、呼吸、内臓の働きなどを無意識に調整する神経で、
そのバランスが崩れると、血管の拡張・収縮が不安定になり、頭部への血流が乱れやすくなります。

とくに目の奥の痛みを訴える人の多くは、
交感神経(緊張・活動モード)が過剰に働いている状態にあります。
これは、長時間のPC作業、睡眠不足、ストレス、気圧の変化などによって
体が常に“オン”の状態になっているためです。

交感神経が優位になると、頭部の血管は収縮し、
それが急に緩む瞬間に**血管性の痛み(ズキズキと拍動する頭痛)**が発生します。
一方で、副交感神経が優位になりすぎると血流が滞り、
目の奥が重い・ぼんやりする・目の焦点が合いづらいといった症状につながることもあります。

東洋医学では、この状態を「肝気厥逆(かんきけつぎゃく)」として説明します。
本来は下へ巡るべきエネルギー(気)が頭部に上りすぎ、
いわゆる「頭にのぼる」状態が続くことで、目の奥やこめかみに熱感や痛みが現れます。
これは「肝陽上亢(かんようじょうこう)」と呼ばれるタイプで、
ストレスや感情の高ぶりが引き金になることも多いのが特徴です。

このように、自律神経の乱れは単なるストレス反応ではなく、
体の内部で起こる“上昇と下降のアンバランス”によって生まれる現象です。
そのため、目の奥の痛みを和らげるためには、
外からの刺激(マッサージや湿布)だけでなく、
内側のリズム――すなわち自律神経と気の流れを整えるアプローチ
が欠かせません。
以下関連記事
🟢 雨の日に悪化する首肩こりと頭痛|気圧変化と筋緊張の関係を鍼灸で整える

🟦 気圧・天候による変動

季節の変わり目や雨の日に「目の奥が重くなる」「頭全体が締めつけられるように痛む」と感じたことはありませんか?
このような症状は、気圧や天候の変化による体内環境の乱れが原因で起きることがあります。

人の体は、外の気圧が下がるとともに内側の血管が拡張し、
その結果、頭部の血流が増えてうっ血しやすくなる傾向があります。
とくに目の奥やこめかみは細い血管と神経が密集しているため、
わずかな圧力変化でも痛みや重だるさが出やすい部位です。

また、低気圧のときは副交感神経が優位になりやすく、
体がリラックスモードに傾き、血流が停滞しやすくなります。
この状態で首や肩にコリがあると、さらに血流が悪化し、
**「頭が重い」「目の奥がズーンとする」**という症状が強く出ます。

一方で、天候の急変や寒暖差が大きい日は、交感神経が過剰に働き、
血管が急に収縮することで拍動性の頭痛が誘発されることもあります。
つまり、天候の変化は血管と神経の両方に影響を与えるため、
目の奥の痛みを感じる人にとっては非常に敏感なトリガーとなるのです。

東洋医学では、こうした外的要因を「外邪(がいじゃ)」と呼び、
その中でも**湿邪(しつじゃ)風邪(ふうじゃ)**が関係していると考えられます。
湿度が高いと体内の“水の巡り”が滞り、風邪が強いと気の流れが乱れます。
この二つが重なると、体の上部――特に頭部に症状が出やすくなり、
目の奥の痛みや頭重感、めまい、吐き気などを伴うことがあります。

こうした気圧変化による症状は、
**「天気が悪くなると痛みが出る」=気象病(天気痛)**として知られています。
三華堂では、天候による自律神経の乱れや気の停滞に対し、
鍼灸で「気・血・水(き・けつ・すい)」の巡りを整えることで、
気圧に左右されにくい体づくりを目指します。
以下関連記事
🟢 低気圧で頭痛が出やすい人の特徴5つ

実際のケースから見る「目の奥の痛み」

こうした気圧や自律神経の影響は、決して特別なものではありません。
三華堂にも、同じような悩みを抱えて来院される方が多くいらっしゃいます。

たとえば、40代の男性(デスクワーク中心の仕事をされている方)。
約2か月ほど前から、目の奥がズキズキと脈打つように痛む状態が続いていました。
仕事中は常にパソコン画面を見つめ、首や肩のこりも強く、
夕方になると頭の奥から締めつけられるような感覚が出ていたそうです。

初診の際には、眉の上(魚腰付近)とこめかみの胆経ラインに明確な圧痛があり、
首の後ろの筋肉(後頭下筋群)も硬くなっていました。
気圧が下がる日には症状が特に強くなり、
まさに「自律神経の乱れ」と「胆経の滞り」が重なっていたケースです。

施術では、目の周囲やこめかみの緊張を軽く鍼でゆるめ、
同時に首・肩・背中の筋肉を調整して全体の血流を整えました。
初回で頭の重さが軽くなり、週一回、数回目の施術後には
「仕事中も目の奥の痛みをほとんど感じなくなった」とのこと。
その後は定期的なメンテナンスで、気圧変化による不調も起きにくくなっています。

以下関連外部リンク
1. MSDマニュアル家庭版(頭痛の一般的な原因)
🔗 頭痛の原因と種類(MSDマニュアル家庭版)
2. 日本頭痛学会(片頭痛・緊張型頭痛などの基礎知識)
🔗 日本頭痛学会|頭痛の種類と対策

🟩 まとめ|目の奥の痛みは“全身のサイン”

目の奥の痛みは、単なる「疲れ目」ではなく、
首や肩の筋緊張・胆経ラインの滞り・自律神経の乱れなど、
体のバランス全体が崩れた結果として現れるサインです。

目の奥にズキズキとした痛みを感じると、
つい目薬やマッサージなど“目のまわりだけ”をケアしがちですが、
それだけでは一時的な改善にとどまり、再発することも少なくありません。

東洋医学では、「目は肝の竅(あな)」とされ、
肝と胆の気の流れがスムーズであれば、目もクリアに働きます。
そのため、根本的な改善には、頭部や首・肩の血流と経絡の流れを整えることが欠かせません。

三華堂では、

  • 目の奥の痛みやこめかみの圧迫感

  • 気圧変化による頭重感

  • ストレスや自律神経の乱れによる頭痛

などに対して、胆経や後頭部の筋緊張を丁寧にゆるめ、
「目の奥が軽く開くような感覚」を取り戻すことを目指しています。

目の奥の痛みは、あなたの体からの“小さなSOS”です。
放っておかず、体全体の流れを整えることで、
頭も目もスッキリと軽く、毎日を快適に過ごせるようになります。

TEL  042-481-0626