【国領駅すぐ】夏バテで吐き気・だるさが抜けないあなたへ(後半)|三華堂の東洋医学的アプローチ

前回の記事(こちら)では、夏バテがなぜ起こるのか――その根本的なメカニズムを詳しく解説しました。
特に、冷房・冷たい飲食・ストレス・消化機能の低下といった、日常に潜む落とし穴が「だるさ」や「吐き気」を引き起こすこと、そして**“夏バテは甘えではなく、体が本気でSOSを出している状態”**であることをお伝えしました。

この記事ではその続きとして、
「夏バテになると、体の中では何が起きているのか?」
「どうすれば自然に回復していけるのか?」
を、実際の症例とともに詳しく解説していきます。

とくに近年、調布市・国領駅周辺でも「動けない」「食べられない」という深刻な夏バテでご相談に来られる方が増えています。
多くの方が「自分でなんとかしよう」と無理を重ねてしまい、さらに症状を悪化させているのが実情です。

もしあなたやご家族が、**“いつもの夏よりつらい”**と感じているなら、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
後半では、三華堂はりきゅう整骨院が実践する回復プロセスも詳しく紹介していきます。

体の中で本当に起きていることとは?

本格的な夏バテに陥っている方の体では、単なる“疲れ”では片づけられない深刻な異変が起きています。
体がバテて動けなくなっている患者さんを見ていると、体に特徴的な状態変化が出ている事が多いように思いました。
特に次の3点が、夏バテ特有の身体の状態変化と感じるので、紹介しておきましょう。


✅ ① 鳩尾(みぞおち)〜おへそ周辺の緊張

「なんとなく気持ち悪い」「胃がムカムカする」――
そんな状態が続くと、多くの人は無意識のうちに腹筋に力を入れて吐き気を我慢しようとします

結果として、みぞおちからおへそにかけての筋肉がカチカチに緊張したままになり、
胃や腸が“防御姿勢”を取ってしまうのです。

この緊張が続くと、食べ物を受け入れる準備が整わず
・食欲不振
・胃の重さ
・吐き気が抜けない
といった症状が慢性化していきます。

そして、こうした腹筋などの筋肉の硬さが持続すると、筋肉だけが固くなるわけではなく、実際に胃そのものも硬くなってくる可能性が高いと感じます。

胃が固くなると食べ物を受け付けにくくなる

胃の硬さが出てくると、口から受け入れた食べ物が胃の中に入って来た後、それらを胃で受け止めにくくなるのではないか?と考察します。
胃がそんな状態になる事で、せっかく食べた食べ物が胃の硬さに押し戻され逆流して出てこようとする。

要するに胃の力(受容力)自体が弱ってしまっているがゆえに、食べ物を受け入れられなくなっていると考えると納得ができる現象です。

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胃腸の不調と筋肉・自律神経の関係性を詳しく解説しています。


✅ ② 呼吸のしにくさ・息苦しさ

次によくある症状として、呼吸のしにくさを訴える人が多いです。

吐き気による体の緊張が長引くと、胸や横隔膜まで硬くなり、呼吸が浅くなります
これは、吐き気を我慢しようとすることで体が緊張して、結果として肋骨の動きや横隔膜の動き、首の筋肉が緊張し動きが制限される事で起きます。

この状態では、以下のような症状が起きます:

  • 息を吸っても深く入らない

  • 胸のあたりが詰まった感じがする

  • 酸素不足からくる“パニック感”や“動悸”

とくに横隔膜が硬直していると、横になると余計に苦しくなり、眠れない夜が続くこともあります。

 


✅ ③ 背中・腰上部の緊張

特に注目すべきは「胃の裏側」にあたる背中の硬直です。
ここには、自律神経の大元(交感神経)が集まっており、常に緊張状態にあると自律神経全体が興奮したままになります。

この背中の緊張がつづくと――

  • 呼吸も浅くなる

  • 体が“前に丸まる”ようになって動きにくくなる

  • 「気力がわかない」「もう何もできない」という無力感が強くなる

そして腰の上の硬さが続く事で体感的にも【背中がずっと痛い】【背中が張っている】ように感じる人もいます。

このように、夏バテによって体幹全体が固まることで、エネルギーの通り道が遮断されていき、様々な連鎖症状が体に表現され始めます。

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背中の筋緊張と倦怠感・動作制限の関係について詳しく知ることができます。

三華堂の治療方針と回復のプロセス

本格的な夏バテに陥っていると、ただの休養や栄養補給だけではなかなか回復しません。
むしろ「がんばって食べよう」「無理に動こう」として悪化してしまうケースも多く見られます。

そこで私たち三華堂では、東洋医学の視点から、体の深部に起きている緊張や機能低下にアプローチし、根本から回復の流れを整えていく治療を行っています。

具体的には以下のようなプロセスで体を回復させていきます:


次に進める準備ができています。以下の4ステップ(①〜④)に沿って、ひとつずつ丁寧に説明していきましょう:

  1. 胃の硬さをとる

  2. 呼吸をしやすくする

  3. 首の硬さをとる

  4. 食事の受容力を少しずつ戻す

 

① 胃の硬さをとる

夏バテの根本的な不調の一つが「胃のこわばり」です。これは単なる胃腸の働きの低下ではなく、筋肉としての「胃の硬直」や「緊張」が生じている状態です。

三華堂ではまず、鍼灸によって鳩尾(みぞおち)〜おへそ周辺の緊張をゆるめていくことから始めます。

特に重点的にアプローチするのが以下のポイントです:

  • 腹直筋(みぞおち〜おへそのライン)

  • 肋骨下縁の腹斜筋・腹横筋への連動部

  • 胃の反応点(足や手のツボを含む)

これらの部位を鍼を使って緩めていくことで、
「吐き気が少し落ち着いた」
「呼吸がラクになってきた」
「胃の圧迫感が減ってきた」
という実感を得られる方が多いです。

また、患者さんによっては背中や足のツボを使うことで、胃の緊張がさらにスーッと和らぐこともあります。

自分で胃の硬さをとるならば・・

患者さんがお腹の方さを自分で和らげるとするならば、簡単な方法としては【温める事】です。
温タオル、もしくはお灸を使って直接お腹を温める事が効果的なので、鍼灸治療と合わせてやっていくと早く良くなるでしょう。

🔗 関連記事:「雨の日になると胃が重い・食欲が出ない…それ、気圧と自律神経が原因かも?」
(胃と筋肉・自律神経の関係を詳しく解説)

 

② 呼吸をしやすくする

夏バテのもう一つの特徴が、「呼吸が浅い」「胸が詰まる」といった息苦しさの感覚です。
この状態は、自律神経の乱れとともに横隔膜や肋骨周辺の筋肉が固まっていることが大きく関係しています。

三華堂では、以下のようなアプローチで呼吸の深さを取り戻す施術を行っています。

🔹横隔膜の緊張をゆるめる鍼灸

  • みぞおち周辺への軽い鍼刺激

  • 肋骨の下縁や胸部に関係する経穴(ツボ)へのアプローチ

  • 背中側の呼吸筋・交感神経ポイントへの鍼施術

また、多くの方が「緊張から肩が上がりっぱなし」になっているため、肩甲骨まわりや首すじの緊張も同時に緩めていきます。

特に呼吸に重要な広背筋・僧帽筋・胸鎖乳突筋などが固まっていると、呼吸が浅くなるだけでなく、不安感や睡眠障害にもつながるため、慎重に緩和させていきます。

📝ポイント:
呼吸が深くなると「気分が落ち着く」「眠れるようになる」という変化が現れます。
これは酸素供給が安定するだけでなく、副交感神経が働きやすくなるためです。

🔗 関連記事:「低気圧で吐き気に悩むあなたへ|自律神経の乱れと鍼灸のやさしいアプローチ」
(呼吸のしづらさ・横隔膜の硬さと自律神経の関係を詳しく紹介)

③ 首・背中・腰の硬さをゆるめる

夏バテで「全身がだるい」「立ち上がる気力が出ない」と感じる方の多くに共通するのが、首・背中〜腰上部の筋肉のこわばりです。
特に「胃の裏側」にあたる背中の中央部(胸椎9-12番周辺)や、その下の腰上部(腰方形筋・広背筋など)に、異常な硬直が見られます。

この部位の筋肉がこわばっていると、次のような状態に陥りやすくなります:

  • 呼吸が浅くなる

  • 背筋が伸びず、常に前かがみの姿勢になる

  • “気力”や“やる気”が湧かない

  • 体を起こす・動かすのが億劫になる

🔹三華堂のアプローチ

三華堂では、これらの硬さに対して鍼と温熱刺激を組み合わせた調整を行います。

  • 広背筋・腰方形筋など、動きの起点となる筋肉への鍼刺激

  • 肩甲骨〜背骨の間(脊柱起立筋)への温灸や遠赤外線照射

  • 自律神経の反応点である「胸椎付近の背部」に繊細な施術

📝特に背中の硬さが取れると、患者さんからはこんな声がよく聞かれます:

「背中が軽くなった」「気持ちが前向きになった」「動けるようになった」

これは単なる筋肉の変化だけでなく、自律神経の緊張がゆるんだサインでもあります。

🔗 関連記事:
「広背筋がこわばると背中も腕もツラい?」
(背中のこわばりと無気力感の関係を詳しく解説)

④食事の受容力を少しずつ戻す

「吐き気は減ってきたけど、まだ食欲が出ない」
「何を食べても胃が重くなる」
こういった段階にいる方は、“胃の受容力”そのものが弱っている可能性があります。

吐き気を我慢している時期に固くなっていたみぞおち〜おへそ周辺の筋肉や、胃の裏側にあたる背中の緊張が残っていると、胃が食べ物を受け入れにくくなっている状態が続きます。

こうしたケースでは、以下のような段階的な調整を行います:

  • おかゆなどの消化の良い物から食べる

  • 暖かなスープなども効果的

  • 1〜2割だけの食事量で負担をかけないことを指導

体が緊張していると、たとえ栄養価が高いものを食べても、胃腸が“受け入れる準備”をしていなければ吸収されません

だからこそ、**「何を食べるか」より「どんな状態で食べるか」**が大切なのです。

緊張がゆるむ → 受け入れ準備が整う → 少しずつ食べられるようになる

このプロセスを丁寧にたどっていくことで、夏バテによる食欲不振や吐き気から、自然に回復していく方が多くいらっしゃいます。

では実際治療の現場で感じる体感的な治療期間としてどの程度がかかるかをお伝えしましょう。

夏バテ、回復するのにかかる時間は?

「夏バテからどれくらいで回復できますか?」
――このご質問をよくいただきますが、結論からお伝えすると、

回復には「1ヵ月半~3ヵ月」ほどかかるケースが多いです。

もちろん、すべての人が同じ期間ではありません。
次のような要因によって、回復までのスピードは大きく変わってきます。

① 生活環境やサポート体制の違い

同じように夏バテしても、「家でゆっくり休める人」と「仕事や育児がハードで休めない人」とでは、回復までのスピードに大きな差が出ます。
また、周囲からのサポート(家族・パートナー・職場など)があるかどうかも、体力の戻り具合に影響します。

② きっかけとなった出来事の深刻度

単なる疲労の積み重ねではなく、病気・ケガ・出産・看病・過労などをきっかけに体力を消耗している場合、基礎体力が大きく低下していることがあります。
このようなケースでは、夏バテから回復する前に「体力をつける」ことが必要となるため、時間がかかる傾向にあります。

③ 比較的軽症の人は早く回復することも

一方、若くてもともと体力がある人や、症状が軽めの方は、適切なケアを行うことで数週間程度で元気を取り戻すこともあります。
しかし、その場合も「一時的によくなった=完全回復」ではないため、無理は禁物です。

このようなケースがよくあるように感じます。

では次に体がバテてしまった状態から回復するために気を付ける事を案内していきましょう。

夏バテから回復するために気を付けたいこと

夏バテが重症化すると、「ただ栄養をとれば治る」「寝れば治る」という感覚ではなかなか回復できません。
まず最も大切なのは、“自分の体が今どうなっているのか”を正しく理解することです。

特に深刻な夏バテ状態では、胃が固くなり、食べ物を受け付けなくなっていることが少なくありません。
これこそが「吐き気が続く」「動けない」「食べられない」といった症状の根本にある原因です。

体の状態を正しく理解し、それを悪化させないために何を避けるべきか。以下のポイントを押さえておくことで、回復を早めることができます。


① なぜ気持ち悪くなるのかを知ることで不安を和らげる

体の内部で何が起きているのかを理解できれば、漠然とした不安が軽減されます。
たとえば「胃が硬くなって食べられない」「横隔膜が緊張して呼吸が浅くなっている」といった状態を知っておけば、日々の小さな変化も前向きに受け止めやすくなります。

「少し呼吸がしやすくなった」「温かいものなら少し食べられた」など、回復の兆しを実感しながら焦らずに過ごすことができます。


② 一気によくならないことを最初から理解する

「夏バテってすぐ治るものじゃないの?」と思い込んでいると、回復の遅さにショックを受けてしまいます。
重度の夏バテでは、1〜3ヶ月かけてじっくり回復するケースが多く、すぐに元気になることを期待すると、そのたびに落ち込んでしまいます。

最初から「時間がかかるもの」と認識しておくことで、気持ちの持ちようが変わり、結果的に早く回復することにつながります。


③ 無理な運動・ストレッチは逆効果になる

「動けば元気になるはず」と思って、無理にトレーニングやストレッチをする人がいますが、これは非常に危険です。

夏バテの体はエネルギーがほとんど残っておらず、胃の受容力も低下している状態。
無理に体を動かすことで、かえって悪化してしまうケースも多いのです。

まずは必要最低限の動きにとどめ、完全回復してから少しずつ体を慣らすようにしましょう。


④ 汗をかこうとしない

「汗をかけばデトックスできて、体調がよくなる」という思い込みから、無理に運動して汗を出そうとする方もいますが、夏バテでは逆効果です。

汗をかくことで、体力・水分・ミネラルが一気に失われてしまい、さらなる倦怠感や脱力感に陥ることがあります。
回復期には、発汗を促すのではなく、体力を温存することが最優先です。


⑤ 冷たいものを摂りすぎない

食欲がないと、ついアイスや冷たいジュース、そうめんなどを食べがちですが、これも夏バテを悪化させる原因になります。

体力が落ち、胃が固くなっている状態では、冷たいものが胃腸にとって強い刺激となり、さらにこわばりが強くなってしまうのです。

最初は【白湯(さゆ)】や【おかゆ】など、温かくて消化に優しいものを少しずつ摂るようにしましょう。
「胃に優しい、でも冷たくない」が回復のカギです。


まとめ:回復の鍵は“理解して、焦らず、負担をかけないこと”

夏バテの回復では、「治そう」と頑張るよりも、「悪化させないように守る」意識が大切です。
体がどうなっているのかを正しく理解し、誤った行動で状態を悪化させないよう注意しながら、少しずつ体の受け入れ態勢を整えていくことが、回復への最短ルートです。

夏バテにならないために、そして“なったあと”にできる最善のこと

重度の夏バテになると、自然に治るのを待つだけではなかなか回復できないのが現実です。
胃が固くなり、食べ物を受け付けなくなって、動けないほどのだるさや吐き気が続いてしまう。
その状態から抜け出すには、「自分の努力」と「外部からの適切なサポート」がどうしても必要になります。

○ だからこそ、「ならないように気を付ける」ことが最善

一度こじらせてしまうと、回復には1ヶ月半〜3ヶ月ほどかかることもあり、仕事や生活に大きな影響が出てしまいます。
予防こそが最大の対策であり、**軽いうちにケアを始めることが、結果的に最も効率の良い“回復の近道”**になるのです。

「ちょっと食欲が落ちてるかも?」「なんとなく息が浅い」「朝起きるのがツラい」
そんなサインに気づいたら、早めに専門的なケアを取り入れることをおすすめします。


調布市・国領駅すぐの三華堂では、夏バテの根本ケアができます

当院「三華堂はりきゅう整骨院」では、夏バテで動けなくなってしまった方への東洋医学的なアプローチを丁寧に行っています。

  • 「**鍼灸って夏バテにも効くの?」」

  • 「**自律神経や胃腸の不調って、どうやってケアすればいいの?」」

そんな疑問にも一つひとつお応えしながら、胃・呼吸・背中の緊張を整えることで体の内側から改善へと導きます。

📍京王線 国領駅から徒歩すぐ
調布市内や柴崎・つつじヶ丘・狛江・府中方面からも多くの方にご来院いただいています。


夏バテは、決して“甘え”や“気合いの問題”ではありません。
正しい知識とサポートがあれば、体は少しずつ、でも確実に回復していきます。

一人で我慢せず、まずは一歩踏み出してご相談ください。
042-481-0616