集中しすぎて呼吸も忘れる…低気圧の日に“体と心”が重くなる理由

忙しすぎて、深呼吸すら忘れていませんか?

時計の針が、カチカチとせわしなく進む午後。
締切、通知、上司のひと言、積み上がるタスク。
気がつけば、肩が上がり、目は画面に釘づけ。
手も、背中も、息すら張り詰めている。

「ちょっとだけ」と思って始めた作業が、
いつの間にか2時間、3時間…
椅子から一歩も立たずに、呼吸も浅くなっていた――
そんなこと、ありませんか?

胸はギュッと縮こまり、背中はバキバキ。
お腹はカチカチに固まって、なんだか呼吸がしにくい。
それでも、仕事を中断するわけにもいかなくて。
今日もまた、我慢したまま1日が終わっていく。

もし、最近そんな状態が続いているなら、
それは「姿勢の悪さ」だけじゃなく、
“体のSOS”が静かに始まっているサインかもしれません。

そしてそれが、雨や曇りの**“低気圧の日”**になると、
もっとツラく、もっと動けなくなってしまう…。


このあと、なぜ低気圧の日に体調が悪化しやすいのか、
なぜ“仕事に集中しすぎる”と不調につながるのか、
そして、どうしたら少しでも体と心を軽くできるのか――
やさしく、丁寧にお話ししていきます。

2. 集中しすぎると呼吸は止まる

「気づいたら、もうこんな時間——」

パソコンの画面に向かって黙々と作業していると、時間の感覚がすっと抜け落ちていきます。
気がつけば2時間も、椅子に根を張ったように動かず、呼吸も浅いまま。

トイレに行こうと思ったはずなのに、
メールの返信をしていたらそのまま別のタスクが目に入って、
さらにチャットの通知が来て……。

気づけば、息を止めるように集中していたことにハッとする瞬間、ありませんか?


背中が丸まって、胸が閉じて、息が吸えない

そんな集中状態では、体も固くなります。
猫背になり、胸やお腹がぎゅっと縮こまり、息を吸うスペースすら失われていく。

実はこのとき、横隔膜の動きも制限されていて、「深く吸う」という動作そのものが難しくなっています。
同時に、背中側では肩甲骨の内側がガチガチに。
あの、**背中の“うずくような重だるさ”**は、まさにそのサイン。

オフィスで胸とお腹を押さえ苦しそうな表情を浮かべるキャリア女性

長時間のデスクワークで呼吸が浅くなり、胸やお腹に不快感を訴える


呼吸が浅くなると、自律神経も乱れる

浅い呼吸は、交感神経(緊張の神経)を刺激し、
“ずっとON状態”のままの体と心をつくり出してしまいます。

だからこそ、深呼吸が大切——とわかってはいても、
忙しい日々のなかでは、それすら忘れてしまうのが現実です。
一般社団法人 日本自律神経研究会「自律神経とストレス」

3. 低気圧が“追い打ち”をかけてくる

「ただでさえしんどいのに、なんで今日はこんなにイライラするんだろう…」
「頭も体も重たくて、気持ちまで沈んでくる」

それ、天気のせいかもしれません。

雨や曇りの日、つまり低気圧が近づいているとき
私たちの体は知らないうちに、じわじわと“追い詰められて”いきます。

なぜなら、低気圧は体の内側にあるセンサー――
つまり自律神経に、強く影響を与えるからです。

自律神経が乱れると、体はどうなるか?

・呼吸が浅くなり、酸素が足りないように感じる
・血流が滞り、肩や首がパンパンに張ってくる
・水分代謝も落ち、むくみや重だるさが出てくる

つまり、低気圧の日は「ただの天気」ではなく、
呼吸・血流・水分代謝という大切なバランスを根本から揺さぶってくる存在なのです。

そしてさらに、心のバランスにも静かに影を落とします。

「やる気が出ない」「焦って落ち着かない」「理由もなく不安」
こういった不調も、実は体の異変のサインかもしれません。

気圧の変化によって、自律神経のうち“緊張モード”の交感神経が優位になりすぎると、
脳が「ストレスがかかっている」と判断し、気持ちまで不安定にしてしまうのです。

だからこそ、
「最近、気持ちの浮き沈みが激しい」
「なんでもないことで涙が出そうになる」
そんな状態が続いているなら、まずは天気と体調の関係に目を向けてみてください。

自分を責めるのではなく、
「いまのこの気分は、低気圧が引き起こしているものかもしれない」と
少し距離をとって見てあげるだけでも、心の負担は変わってきます。

4. 息を整えると、体も気持ちも戻ってくる

肩がこわばり、胸が縮こまり、呼吸が浅くなる。
そんな状態で長時間過ごしていると、心も体もどんどん“鈍く”なっていきます。

でも、ふっと深呼吸ができたとき――
その一瞬で、すべてが少しだけ変わるのを感じたことはありませんか?

吸って、吐いて。
そのたびに、血液があたたかくめぐり出し、
冷えていた手足が、じんわりほぐれていく。

それだけで、むくみや重だるさがふっと軽くなってくるのです。

そして何より大切なのは、“自分の体に気づける”ようになること

「ずっと我慢してたけど、トイレに行きたい」
「お腹が冷えてる気がする」
「肩がガチガチだったんだな」

——そうやって、自分の体からのサインに、やっと耳を傾けられるようになる。

呼吸が整うと、自律神経のバランスも戻り、
過剰に緊張していた心身が**ようやく“ゆるむ”**準備を始めます。

とはいえ、
「自分で深呼吸してもなかなか切り替えられない」
「リラックスしようとしても、全然できない」
……そんなときもありますよね。

そういうときこそ、鍼灸の出番です。

背中や肩甲骨まわり、鎖骨の下、胸やお腹などにやさしく鍼をすることで、
縮こまっていた筋肉がゆるみ、呼吸のスペースがふっと広がる
自律神経も整い、血流や水分代謝も自然とめぐっていきます。

固まっていた体が“解放”されると、
不思議なくらい、呼吸も気持ちもスッと戻ってくる。

仕事でがんばった体に、鍼灸でやさしいケアを——
それも、自分にできる立派なセルフケアのひとつです。

TEL042-481-0616

関連記事はこちらもおすすめです

低気圧でむくみやすくなるってどうして?
“めぐり”を整えて体も心も軽くなる方法を解説しています。
👉 https://sankado.com/2025/06/07/thumbnail_low_pressure_mukumi/

🌧 雨の日が怖いあなたへ|低気圧頭痛に薬を使わない自然な対策
気圧の変化でつらくなる頭痛に、やさしく寄り添うアプローチ。
👉 https://sankado.com/2025/06/01/natural-headache-remedy-low-pressure/

🧘‍♀️ 腰痛を予防するセルフケアと鍼治療|自宅でできる簡単な対策と注意点
姿勢の乱れや緊張が気になる方に、日常でできるケアを紹介。
👉 https://wp.me/paGL8z-lH