鍼は人間だけのものじゃない!? ― 動物にも“ツボ”があるって知ってましたか?

肩こり、腰痛、自律神経の乱れ……
私たちの体に優しくアプローチする「鍼灸治療」。

でも、ちょっと意外かもしれませんが、
実はこの鍼灸、動物にも効果があるってご存知でしたか?


中国の伝統医学では“動物鍼灸”は当たり前?

中国では数千年前から馬や牛、犬などの動物に鍼灸が使われてきた歴史があります。
そして今では、アメリカやヨーロッパでも本格的にペットや競走馬への鍼灸治療が導入されています。


実際にあった、鍼灸による動物の変化とは?

以下のような驚きの症例も報告されています:

  • 🐶 足を引きずる老犬が、鍼治療の数日後に散歩できるようになった

  • 🐴 競走馬がレース後の疲労回復に鍼灸を使っている

  • 🐱 猫の食欲不振に“お腹のツボ”を使った鍼灸で改善が見られた

…などなど、世界中で臨床報告が増えてきています。


今回のテーマ|「動物×鍼灸」の不思議な世界へ

今回は、そんな**「動物×鍼灸」**のちょっと不思議で面白い世界をご紹介。

「人間に効くのはわかるけど、動物にもツボがあるの?」
「なぜ効くの?」
「誰が動物に鍼を打てるの?」

そんな素朴な疑問から、
“鍼灸ってやっぱりすごい”と思える人間への気づきまで、
じっくり読み解いていきます。

鍼灸に興味がある方はもちろん、
動物好きな方にもぜひ読んでほしい内容です。

犬や馬にもある“ツボ”と経絡

「鍼灸治療」というと、人間の肩こりや腰痛に使われるイメージが強いかもしれませんが、実は犬・猫・馬などの動物にも“ツボ”や“経絡”は存在し、治療に使われています。

特に競走馬の世界ではパフォーマンス向上や筋肉疲労の回復に鍼灸が活用され、米国や中国では獣医療の一環として日常的に取り入れられています

例:首をかしげて歩く犬に対して、頚部のツボに刺激を加えたところ、数日で症状が軽減したケースなども。


どんな症状に効果があるの?

動物鍼灸は、運動器系や神経系、内科的な症状に幅広く対応できます。特に、高齢の犬や猫における慢性症状や生活の質(QOL)向上において、薬に頼らない選択肢として注目されています。

◎ 運動器系の症状

● ヘルニアや関節炎

犬や猫にも椎間板ヘルニアや関節炎は存在します。
これらは歩行障害や激しい痛み、足を引きずるなどの行動として現れます。
鍼灸によって炎症の緩和や筋緊張の改善が見込まれ、症状の進行を抑えるだけでなく、動ける時間を延ばすことにもつながります。

● 歩行障害・後ろ足のふらつき

老齢の動物では、筋力の低下や神経の衰えにより後ろ足がふらつく・踏ん張れないといった症状が見られます。
鍼灸でツボを刺激することで、神経と筋肉の反応性が改善されるため、姿勢の安定やバランスの改善が期待されます。

● 頚部のこわばりや筋肉の緊張

抱っこやリードをつけたときに嫌がる・痛がる場合、首周りのこわばりや筋の張りが隠れていることも。
このようなケースにも、鍼灸によって筋緊張の緩和・血流改善が有効とされています。


◎ 神経系・内科系の症状

● 食欲不振、便秘、下痢などの消化器不調

「最近ごはんを食べなくなった」「お腹がゆるいor出にくい」といった症状も、自律神経の乱れや内臓の機能低下が原因かもしれません。
鍼灸は、胃腸の動きを司るツボや神経バランスを整えるツボへの刺激により、こうした消化器トラブルに穏やかに作用します。

● てんかんなどのけいれん発作

てんかん発作やけいれんは、神経の過剰な興奮によって起こるとされます。
一部の症例では、抗けいれん薬と並行して鍼灸治療を行うことで、発作の頻度や強度が軽減された例も報告されています。
特に、ツボによる神経の安定作用に注目が集まっています。

 


このように、動物鍼灸は「薬ではコントロールが難しい慢性症状」や「加齢による衰え」にもアプローチ可能です。
副作用のリスクが少なく、体に優しいケアを求める飼い主さんからのニーズも高まっています。

動物の“ツボ”って人間と同じ?

動物の“ツボ”って人間と同じ? 「人間にはツボがあるってよく聞くけど、犬や猫にもあるの?」 そんな疑問を持たれた方、実は動物にも“経絡(けいらく)”や“ツボ(経穴)”があることをご存知でしょうか? ◎ 共通する「エネルギーの流れ」 東洋医学では、人間も動物も“気・血・水”というエネルギーが体を巡っていると考えます。 この流れを司るのが**経絡(けいらく)**というルートで、そこに点在しているのが“ツボ”と呼ばれるポイントです。 そして驚くことに、動物の体にもこの経絡とツボが存在し、機能しているとされています。 もちろん体格や骨格は違いますが、 ● 脊柱(背骨)に沿った“背部兪穴(はいぶゆけつ)” ● 手足の先にある“井穴(せいけつ)” ● 腹部に並ぶ内臓系のツボ群 など、多くのポイントが人間とよく似た位置関係にあるのです。

動物のツボは人間と驚くほど似ています。背中、手足、腹部などに経絡とツボが存在し、東洋医学では共通のエネルギーラインとされています

「人間にはツボがあるってよく聞くけど、犬や猫にもあるの?」
そんな疑問を持たれた方、実は動物にも“経絡(けいらく)”や“ツボ(経穴)”があることをご存知でしょうか?

◎ 共通する「エネルギーの流れ」

東洋医学では、人間も動物も“気・血・水”というエネルギーが体を巡っていると考えます。
この流れを司るのが**経絡(けいらく)**というルートで、そこに点在しているのが“ツボ”と呼ばれるポイントです。

そして驚くことに、動物の体にもこの経絡とツボが存在し、機能しているとされています。
もちろん体格や骨格は違いますが、

● 脊柱(背骨)に沿った“背部兪穴(はいぶゆけつ)”
● 手足の先にある“井穴(せいけつ)”
● 腹部に並ぶ内臓系のツボ群
など、多くのポイントが人間とよく似た位置関係にあるのです。

◎ ツボは“感覚の集まる場所”

ツボは、東洋医学的に言えばエネルギーの出入り口。
現代医学的に見ると、神経の交差点、毛細血管の集中点、筋膜の変化点などとも一致しており、理にかなった反応点ともいえます。

このため、犬や猫のツボにも筋肉の緊張を和らげたり、神経伝達を調整する働きが期待できるのです。

◎ 「効いた」と教えてくれるサインも

「でも動物は喋れないし、効いてるかどうかわからないのでは?」
そんな不安もありますよね。けれど、鍼灸を受けた動物たちは実に素直です。

たとえば——
✅ 鍼を打ったあと、うとうとと眠るようになる
✅ 呼吸がゆっくりになり、顔つきが穏やかになる
✅ 治療後に足取りがしっかりしてくる

こうした**「変化のサイン」**が観察されることで、飼い主さんにも「効いている」実感が得られやすいのです。


なぜ鍼が効くのか?動物は“言葉”で訴えない

人間は「痛い」「つらい」と言葉で伝えることができますが、動物はそうはいきません。
その分、**ツボや皮膚感覚、筋肉の硬さ、歩き方などの“非言語的なサイン”**を読み取ることが大切です。

鍼灸は、そうした「目に見えにくい不調」に対して、優しくアプローチできる点が強みです。


でも注意!動物への鍼は“獣医師”しかできません

日本において、犬や猫、馬などの動物に鍼灸を行えるのは**「獣医師」だけ**です。

私たち鍼灸師がいくら知識を持っていても、動物に直接治療を施すことは法律で禁じられています。

外部リンク:日本獣医師会「動物に対する鍼灸について」


海外では“動物専門鍼灸師”の資格も

アメリカでは「IVAS(国際獣医鍼灸学会)」などが認定する獣医師向けの鍼灸ライセンスが存在し、鍼灸を専門にする動物病院もあります。
中国では、伝統医学の一部として動物鍼灸が日常的に行われています。

外部リンク:IVAS公式サイト(英語)


動物鍼灸が広がる理由|人と動物の“共生”のヒントに

鍼灸が動物のケアに使われるようになった背景には、「副作用の少ない方法で改善したい」という飼い主の思いがあります。

また、動物に使える=それだけ安全性と効果があるという証明でもあります。
現代の人間の治療にも通じる視点として、「薬に頼りすぎない選択肢」を探すヒントにもなるのではないでしょうか。

人も動物も「ツボ」がカギ?──あなたの不調にもヒントがあるかも

今回ご紹介した動物の鍼灸
じつはこの考え方、私たち人間の体にとってもとても重要です。

例えば――
● 長年の腰痛が“筋肉の奥のツボ”を緩めて改善した例
● 低気圧の頭痛が“耳や首のツボ”で軽減された症例
● 寝ても取れない疲れが“お腹のツボ”へのアプローチで改善した人

など、動物の例と同じように、“言葉にできない不調”をツボから整えるという方法が、私たちにも当てはまるのです。

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国領駅から徒歩3分、動物好きな院長のいる鍼灸院です

三華堂はりきゅう整骨院は、京王線・国領駅から徒歩3分の場所にある、地域密着型の治療院です。
私自身も動物が大好きで、こうした動物鍼灸の話に触れるたび、「体の声を聴くこと」の大切さを再確認しています。

現在、当院では

  • 慢性腰痛や肩こり

  • 低気圧による頭痛・自律神経の乱れ

  • 五十肩、寝違え、坐骨神経痛など
    に対して、丁寧な鍼灸アプローチを行っています。

「自分の症状に鍼は合うかな?」と迷っている方は、どうぞ気軽にご相談ください。
体のサインに耳を傾け、優しく整える時間を一緒に作っていきましょう。
TEL042-481-0616