梨状筋って何?お尻の奥の痛みや坐骨神経痛に関係する“見えない原因筋”

こんにちは、三華堂の早川です。

「お尻の奥がズーンと痛む」「長時間イスに座っているとしびれてくる」
そんな症状に悩まされた経験はありませんか?

このような不調を感じている方の中に、**実は「椎間板ヘルニアじゃない坐骨神経痛」**を抱えているケースが意外と多くあります。
その原因として近年注目されているのが、お尻の奥にある“梨状筋(りじょうきん)”という筋肉です。

今回は、梨状筋の解剖学的な特徴とその役割、さらに梨状筋が固くなることで引き起こされる症状、そして鍼灸での改善アプローチについてご紹介していきます。

【目次】

1. 梨状筋ってどんな筋肉?どこにあるの?
2. 梨状筋と坐骨神経痛の関係とは?
3. 梨状筋が固まったときに出る不調とは?
4. 「お尻の奥が痛いんです」よくある相談と施術の流れ
5. まとめ|“原因不明のお尻の痛み”は梨状筋からのサインかもしれません


第1章|梨状筋ってどんな筋肉?どこにあるの?

梨状筋は、仙骨(背骨の下の骨)から大腿骨に向かって斜めに走る、小さなお尻の筋肉です。
大臀筋(お尻の大きな筋肉)のさらに内側にあるため、普段はあまり意識されませんが、実は重要な役割を担っています。

以下に梨状筋の図をお見せしましょう。
青くマーキングされている筋肉が梨状筋、そしてその下から出てきている黄色い組織が坐骨神経です。

梨状筋を分かりやすくイラスト化した図

梨状筋は臀部にある筋肉で坐骨神経と密接にかかわっています。

主な機能は以下のとおり:

  • 股関節を外に回す(外旋)

  • 歩く・階段を登る時の骨盤の安定

  • 坐骨神経と隣接し、神経の通り道を形作る

特に注目すべきなのは、坐骨神経がこの梨状筋の下、あるいは筋肉の中を通っていることが多いという点です。


第2章|梨状筋と坐骨神経痛の関係とは?

坐骨神経は、腰から足にかけて伸びる人体で最も太く長い神経ですが、この神経が梨状筋の下を通過する際に筋肉がこわばって圧迫されることがあります。
この状態が「梨状筋症候群」と呼ばれる状態であり、坐骨神経痛と非常によく似た症状を引き起こします。


梨状筋由来の坐骨神経痛の特徴

  • お尻の奥がズーンと重い・だるい

  • 太もも〜ふくらはぎの裏にかけてしびれる

  • 座ると悪化し、立つとやや楽になる

  • レントゲンやMRIで原因が見つからない

  • ヘルニアと診断されなかったが、症状は出ている

こうした症状に該当する方は、梨状筋の過緊張が原因で神経が圧迫されている可能性が非常に高いです。

🔗 関連記事:仙骨ってどこ?腰の土台を支える筋肉たちと動きの関係を知ろう


第3章|梨状筋が固まったときに出る不調とは?

梨状筋の緊張や硬化は、単なる「筋肉のこわばり」では済まないことがあります。
とくに問題なのは、この筋肉が坐骨神経と非常に近い場所に位置しているという点です。


🎯 梨状筋のこわばりで見られる代表的な不調

1. お尻の奥の“押しにくい”痛み

「触っても表面には痛みがなく、でも“奥の方”がズーンと痛む」
これは典型的な深層筋=梨状筋の緊張による痛みのサインです。
浅いマッサージでは改善せず、何度も痛みを繰り返す方も多くいます。

2. 座っていると悪化、立つと軽減する痛み

座位では梨状筋が圧縮され、坐骨神経を押しやすくなるため、
「30分座るとつらいけど、立って歩くと楽になる」
という人が多いのも特徴的です。

3. 片側のしびれ・重さ・脚の引きつれ感

片側だけの「しびれ・だるさ・違和感」も、
ヘルニアではなく梨状筋による神経圧迫の可能性が考えられます。
脚を伸ばしたり座りっぱなしで症状が増悪する場合、要注意です。

4. 歩くときに“お尻の奥が動きづらい”感じがある

歩行時に「なんとなく足が出づらい」「踏ん張れない」
という感覚がある方は、梨状筋と中殿筋のバランス崩れが背景にあるかもしれません。

5. 腰痛との併発

腰を押しても痛くないのに腰が重だるい場合、
実は梨状筋からの関連痛で**“腰に出ているだけ”**というケースも。
仙骨〜梨状筋の連携がうまくいっていないことが要因です。


💡 痛みの“位置”が深いときは要注意

実際の患者様の言葉では、こんなふうに表現されることが多いです:

  • 「お尻の奥の“奥の奥”がつらい」

  • 「座っているときにジワジワくる」

  • 「脚の付け根から裏側がぴりぴりする」

  • 「痛いというより“つっぱる感じ”が続いている」

これらの言葉は、表層ではなく深層の筋肉+神経の圧迫があることを示唆しています。


🔁 他の筋肉との関係にも注意

  • 中殿筋が弱いと梨状筋に負担が集中
     → 片足立ち・骨盤の安定性低下とともに悪化しやすい

  • 腸腰筋が硬いと骨盤前傾し、梨状筋が伸ばされ続ける
     → いつも張っている感じが抜けない

これらの連携トラブルによって、梨状筋に慢性的な負荷がかかり、慢性化・再発を繰り返すタイプの神経痛に進行することもあるのです。

🔗 関連記事:
腸腰筋って何?姿勢・腰痛・呼吸にも関わるインナーマッスルの秘密
中殿筋ってどんな筋肉?片足立ち・歩行・腰痛に関係する“お尻の支柱”


このように、梨状筋の不調は「痛み」だけでなく、「しびれ・だるさ・動きにくさ」といった多面的な不快感として現れることが非常に多いのです。

気づかず放置していると、日常の姿勢や歩き方にまで悪影響が及び、二次的な不調(膝痛・腰痛・バランス障害)へと波及してしまうことも。

第4章|「お尻の奥が痛いんです」よくある相談と施術の流れ

実際に三華堂にご来院いただく方の中には、
「お尻の奥が痛い」「ずっと座ってると足がしびれてくる」
という悩みを抱えた方が少なくありません。

こういった方の中には、整形外科でレントゲンやMRIを受けても異常が見つからず、原因不明のまま湿布や痛み止めでしのいでいたという方もいらっしゃいます。


📌 ケース例:40代・デスクワークの男性

  • 症状:1年前にぎっくり腰をしてから、ずっと痛みがあり右のお尻の奥がズキズキするようになり、長く座っていられない

  • 痛みの出るタイミング:朝起きた直後、トイレに行く時もつらくて死にたくなる、便座に座るのが大変

  • 自覚のあること:長時間の座り姿勢 繰り返したぎっくり腰


🪡 アプローチの流れ(一例)

  1. 問診・触診にて痛みの発生タイミングや部位等を詳しく確認
     → 腰の可動性や痛みがでる姿勢もチェックし、負担のかかる場所を探ります。

  2. 梨状筋に対する深層の刺鍼(直接 or 間接経路から)
     → 筋肉の緊張緩和と神経圧迫の解除を目指します。

  3. 関連筋(中殿筋・腸腰筋・大腿後面)の調整も同時に実施
     → 全体の動きやすさ、痛みの軽減スピードを高めます。

  4. 日常での姿勢や座り方、簡単なセルフケア指導
     → 無理なく症状の再発を防止します。


🗣 結果(患者様の声)

「長く続いた腰の痛みが嘘のようになくなりました」
「朝の痛みがなくなりトイレに無痛で行けるようになったのが嘘のよう」
「坐骨神経痛だと思っていたけど、原因が分かって安心した」


このように、梨状筋の緊張は深層にあるため発見されにくく、気づかぬうちに神経を圧迫して症状を引き起こしていることが少なくありません。

そして、そこに直接届くアプローチができるのが、鍼灸の強みでもあるのです。

🔗 関連記事:中殿筋ってどんな筋肉?片足立ち・歩行・腰痛に関係する“お尻の支柱”


まとめ|“原因不明のお尻の痛み”、それは梨状筋からのサインかもしれません

「坐骨神経痛かと思っていたけど、検査では異常なし」
「湿布やマッサージでは全然良くならない」
「座るだけでお尻の奥が痛む」――

そうした症状に悩んでいる方は、もしかしたら梨状筋の緊張が原因になっているかもしれません。

梨状筋は、お尻の深層にあって、坐骨神経と非常に近い場所を走る筋肉。
だからこそ、少しのこわばりでも神経を圧迫して、しびれや痛みを引き起こすことがあります。

そして何より重要なのは、「梨状筋由来の神経痛」は放っておくと悪化するケースも多いという点。
歩き方が歪んで膝や腰に影響を及ぼしたり、日常動作にストレスがかかってしまうことも。


💡 でも、解決法はあります。

梨状筋は“見えない筋肉”ですが、鍼灸のような深部へのアプローチなら、
筋肉をゆるめて神経の圧迫を解除することができるのです。

「長く座っていられない」「脚のしびれが気になる」「病院で異常はなかったけどつらい」
そんな方は、ぜひ一度、“梨状筋”という筋肉に注目してみてください。

三華堂では、丁寧な問診と深層筋へのアプローチで、
あなたの“隠れた原因”を見つけ、改善のサポートをしています。

どうぞお気軽にご相談くださいね。

【調布市国領で腰痛治療から自律神経ケアは三華堂はりきゅう整骨院】

TEL 042-481-0616

【三華堂鍼灸整骨院】調布のおすすめ鍼灸・人気整骨院・腰痛・五十肩・肩こり・マッサージ・整体・頭痛・仙川・国領・東京ならおまかせ!