中殿筋ってどんな筋肉?片足立ち・歩行・腰痛に関係する“お尻の支柱”
こんにちは、三華堂の早川です。
「片足で立つとフラつく」「歩くときに骨盤がグラグラする感じがする」
そんな違和感、感じたことはありませんか?
このような不安定感、実はお尻の外側にある“中殿筋”という筋肉の衰えや硬さが関係しているかもしれません。
中殿筋は、あまり耳慣れない筋肉かもしれませんが、私たちがスムーズに歩く・立つ・バランスを取るといった日常動作をする上で、なくてはならない存在です。
特に最近は、運動不足・姿勢の崩れ・長時間のデスクワークが原因で中殿筋の機能が低下し、腰痛・膝痛・股関節の不調につながるケースがとても増えています。
この記事では、「中殿筋とは何か?」「どうしてそこが弱ると体に不調が出るのか?」をわかりやすく解説し、鍼灸でのアプローチについてもご紹介していきます。
【目次】
1. 中殿筋とは?どこにあって、何をする筋肉?
2. 歩行・片足立ち・骨盤安定にどう関わる?
3. 中殿筋が弱る・固まるとどうなる?よくある不調
4. 鍼灸で中殿筋へアプローチする方法とは?
5. まとめ|中殿筋を整えることが“動ける体”への第一歩
第1章|中殿筋とは?どこにあって、何をする筋肉?
中殿筋(ちゅうでんきん)は、お尻の外側(腸骨の外側)から大腿骨に向かって付いている筋肉です。
以下の写真は中殿筋の上に走行している筋肉【大殿筋】

大殿筋をイラスト化
表面には大臀筋(だいでんきん)という大きな筋肉がありますが、その内側に中殿筋は位置しています。
以下は大殿筋を外して、その下に走行している中殿筋のイラストです。
この筋肉の主な働きは以下の通りです:
脚を外に開く(股関節の外転)
骨盤を水平に保つ(歩行中のバランス)
片足立ちの際に骨盤が傾かないよう支える
特に中殿筋は、歩いているときに片足で立つ瞬間、反対側の骨盤を持ち上げてバランスを取る重要な役割を担っています。
つまり、中殿筋がしっかり働いていないと――
片足立ちでぐらつく
歩行時に骨盤が左右にブレる
股関節や膝に余計な負担がかかる
といった状態になりやすいのです。
そして、腰痛の患者様の中にはお尻の横から太ももにかけて痛い、という症状が出ている人もいます。
こうした症状に心当たりがある方は、中殿筋から足にかけての筋肉を傷めていると考える事も出来ます。
お尻の痛みが出て生活がしずらいと感じてはいませんか?(笑)
第2章|歩行・片足立ち・骨盤安定にどう関わる?
私たちが歩くとき、脚を交互に前に出して体重を支える「片足立ち」の瞬間が繰り返されます。
このときに中殿筋が働くことで、骨盤を真っ直ぐのラインに保ち、スムーズな体重移動が可能になります。
中殿筋が弱っているとどうなるかというと:
歩くときに骨盤が左右に揺れる
足音がドスドスと重くなる
見た目が「ぺたぺた歩き」になる
腰が落ちたような歩き方になる(高齢者に多い)
さらに、バランスが崩れることで下半身全体に負荷がかかり、股関節痛・膝の痛み・足首のねじれなどが引き起こされる可能性もあります。
また、中殿筋がきちんと働かないと、姿勢を保つために腰部の筋肉が過剰に頑張ってしまい、慢性腰痛の原因になることも。
実際、当院に来られる腰痛の方の中にも、「原因は腰ではなく中殿筋にあった」というケースは少なくありません。
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第3章|中殿筋が弱る・固まるとどうなる?よくある不調
中殿筋が弱くなったり、筋肉が緊張して硬くなっていると、次のような不調が出てきます:
立ち姿が崩れやすくなる/反り腰・猫背になる
歩き方が左右にぶれる(ガニ股・内股傾向)
股関節の引っかかり感・詰まり感がある
片足立ちでフラフラする・階段の上り下りがつらい
膝・足首への負担が増えて、違和感や痛みが出る
お尻や太もも外側の張り・だるさが抜けない
腰痛の慢性化・再発が多い
このように、中殿筋は単独で働いているというよりも、全身の連動性・安定性の中心的な役割を果たす筋肉です。
実際に、デスクワーク中心の生活で中殿筋が使われにくくなっている方が、歩行のトラブルや慢性的な腰痛を抱えることは非常に多いです。
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第4章|鍼灸で中殿筋へアプローチする方法とは?
中殿筋は「お尻の奥」に位置する筋肉であるため、表面的なマッサージでは十分に緩められないことも多い筋肉です。
そこで有効なのが、鍼灸による深部筋へのアプローチです。
鍼は筋繊維の奥深くにまで届くため、硬くなった中殿筋を的確に緩め、骨盤や股関節の可動域を改善することが可能です。
🧭 鍼灸でのアプローチ例
中殿筋そのものへの刺鍼
→ 特に圧痛点(トリガーポイント)を狙って刺鍼し、血流と柔軟性を改善します。骨盤まわり(大臀筋・梨状筋・腸腰筋など)との連動施術
→ 中殿筋だけでなく、連携する筋肉のバランスも整えます。下肢のツボや経絡(けいらく)刺激による調整
→ 体全体の動きや姿勢の軸を整えるため、脚や腰のツボも活用します。
また、中殿筋の緊張によって生じる坐骨神経への影響や股関節の詰まりに対しても、鍼灸は穏やかで持続的な改善が見込めます。
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まとめ|中殿筋を整えることが“動ける体”への第一歩
中殿筋は、片足で立つ・歩く・骨盤を支えるといった、私たちの“日常のあたりまえ”を支える筋肉です。
この筋肉が弱ったり、固まって動かなくなってしまうと、体は徐々にバランスを崩し、腰痛・膝痛・股関節痛・転倒リスクの増加といった形でサインを送ってきます。
しかし逆にいえば、中殿筋の働きを取り戻すことができれば、
骨盤が安定して姿勢が整う
歩くのが軽くなる
腰や膝への負担が減る
全身のバランスが良くなる
といった**「動ける体」の基盤がよみがえってくる**のです。
「最近お尻の横が張っている」「腰よりも股関節の付け根が痛い」「歩くとどこかぎこちない」――
そんな方は、ぜひ一度中殿筋のコンディションを見直してみてください。
気になる症状があれば、三華堂までお気軽にご相談くださいね。
TEL 042-48-0616
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