腸腰筋って何?姿勢・腰痛・呼吸にも関わるインナーマッスルの秘密
こんにちは、三華堂の早川です。
「最近なんだか腰が抜けそうな感覚がある」「歩くとすぐに足が疲れる」「お腹の奥の方がずっと重い」
そんなご相談を受けることがよくあります。
これらの症状、実はすべてに共通して関係している“ある筋肉”があります。
それが今回ご紹介する **腸腰筋(ちょうようきん)**です。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、この筋肉はまさに“姿勢と動きの中心”を支える存在であり、腰痛や猫背、呼吸の浅さにまで影響を与える重要な筋肉です。
※腸腰筋と同じく「腰の深い筋肉」が関係する内容は、こちらも参考になります:
🔗 仙骨ってどこ?腰の土台を支える筋肉たちと動きの関係を知ろう
【目次】
1. 腸腰筋ってどんな筋肉?どこにあるの?
2. 腸腰筋の役割|姿勢・歩行・呼吸にどう関わる?
3. 腸腰筋が固まるとどうなる?よくある不調
4. 鍼灸でできるアプローチ|腸腰筋に直接アプローチできる施術法とは?
5. まとめ|腸腰筋を知れば、体の“芯”が整う
第1章|腸腰筋ってどんな筋肉?どこにあるの?
腸腰筋とは、**「大腰筋」「小腰筋」「腸骨筋」**の3つを総称したインナーマッスル群のことを指します。
この筋肉たちは、背骨の腰の部分(腰椎)や骨盤の内側から始まり、太ももの骨(大腿骨の小転子)に向かって斜めに走行しています。つまり、「背骨〜骨盤〜脚」を直接つないでいる唯一の筋肉といえるのです。
インナーマッスルと呼ばれるように、体の表面からは触れにくい位置にありますが、立つ・歩く・姿勢を保つ・体を曲げる・脚を持ち上げるなど、あらゆる動作に関わっています。
見た目には地味でも、働きはとても大きく、「体幹の芯」を支える屋台骨とも言える筋肉なのです。

腸腰筋のイラスト
第2章|腸腰筋の役割|姿勢・歩行・呼吸にどう関わる?
腸腰筋の働きは多岐にわたります。以下のような体の動作・機能と深く関係しています。
🧍♂️ 姿勢の安定
腸腰筋は、骨盤を前後に傾ける動きに関与しており、立っているときや座っているときの姿勢を調整しています。
この筋肉がうまく働かないと、骨盤が後傾して「猫背」になったり、反対に過緊張すると「反り腰」になったりしてしまいます。
🚶♀️ 歩行・脚の動作
脚を前に出すとき、最初に働くのが腸腰筋です。太ももを持ち上げる筋肉でもあるため、歩行・階段の上り下り・起き上がり動作など、日常生活のあらゆる動きに関与しています。
年齢とともに足が上がりにくくなったり、つまずきやすくなる原因の一つは、腸腰筋の筋力低下や硬さにあります。
🌬 呼吸や内臓の働きとの関係
腸腰筋は横隔膜や腹腔(ふくくう)とも隣接しており、呼吸の深さやお腹の圧力とも関係しています。
腸腰筋が硬くなるとお腹の奥が圧迫されて、呼吸が浅くなったり、便秘や冷えといった内臓不調が出てくることもあります。
このように腸腰筋は「動き」だけでなく、「内側の働き」や「呼吸・神経系」にまで影響する、非常に重要な筋肉です。
第3章|腸腰筋が固まるとどうなる?よくある不調
腸腰筋は深層にあり、気づかないうちに疲労やストレスで硬くなっていることがよくあります。
腸腰筋が固まっていると、次のような不調が現れることがあります:
腰の奥がズーンと重い・引っ張られるような違和感
反り腰が強くなって、腰痛が慢性化
骨盤が後傾して猫背になる
脚が持ち上がりづらくなって、歩幅が狭くなる
お腹の奥がつまって呼吸が浅く感じる
寝起きや長時間の座位で腰が固まる
また、腸腰筋のこわばりは、体幹全体のバランス崩れや神経的な緊張にも関わり、肩こりや背部痛につながることもあります。
腸腰筋が固くなると背中や腰の奥深くにも負担が波及し、「仙骨」まわりにまで影響することもあります。
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ここまでで、腸腰筋がいかに「見えないけれど働き者」な筋肉か、そしてその不調がどれほど広い影響を与えるかが見えてきたと思います。
次章では、そんな腸腰筋に対して鍼灸でどうアプローチできるのかを、具体的にお話ししていきます。
第4章|鍼灸でできるアプローチ|腸腰筋に直接アプローチできる施術法とは?
腸腰筋は、腰の奥深くに位置するインナーマッスルのため、手技療法だけでは届きにくい部位です。
そのため、「腰の奥が張る」「お腹の奥に違和感がある」といった症状に対しては、鍼灸による施術が非常に有効です。
鍼灸では、筋肉の深部へ中国鍼を使って直接アプローチできるため、腸腰筋の緊張や血流の改善を効率よく行うことができます。
🎯 鍼灸施術での主なアプローチ方法
✅ 腹部からの深部刺鍼
お腹側から大腰筋を狙って安全に刺鍼を行います。
✅ 背部〜骨盤周囲の筋肉の調整
腸腰筋は多裂筋・脊柱起立筋・中殿筋などの周囲筋とも連動しています。これらを緩めることで、間接的に腸腰筋の緊張も解消されていきます。
✅ 自律神経の調整
腸腰筋のこわばりは、交感神経の緊張と関係している場合も多く見られます。背部(腎経・肝経)なども使い、全身のバランスを整えていきます。
📍 症例から見る効果的なアプローチ
当院では、「腰痛はあるがマッサージでは届かない場所に違和感がある」と訴える患者さまに対し、腸腰筋へのアプローチを行うことで、
「腰が軽くなった」
「姿勢が自然と良くなった」
「脚が出やすくなった」
といった声をいただいています。
こうした変化は、まさに腸腰筋という“インナーマッスルの中心”がほぐれた証拠です。
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まとめ|腸腰筋を知れば、体の“芯”が整う
腸腰筋は、体の奥深くにあるインナーマッスルでありながら、姿勢・歩行・呼吸・腰痛といった私たちの生活に密接に関わる大切な筋肉です。
普段はあまり意識されることのない筋肉ですが、固まると「腰が重い」「足が上がらない」「姿勢が崩れる」など、思わぬ不調を引き起こすことがあります。
そんな腸腰筋に対して、鍼灸では深部から働きかけることができ、腰や体幹のバランスを根本から整えていくことが可能です。
「腰に違和感があるけど、どこが悪いのかわからない」
「マッサージでは届かない“奥の奥”がつらい」――
そんなときは、腸腰筋の緊張が隠れているサインかもしれません。
ぜひ一度、ご自身の体の“芯”に意識を向けてみてください。
そしてお悩みがあれば、どうぞ三華堂までお気軽にご相談くださいね。
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