首の痛みは天気のせいだけじゃない?ストレートネックと低気圧の関係

こんにちは、三華堂の早川です。

「雨が降る前になると、なんだか首がズーンと重い…」「頭を支えるのがつらい…」
そんな症状、経験されたことはありませんか?

患者様の話では、特に首は朝に痛みを感じる方が多いイメージ・・皆様はいかがですか?
首が痛いとどんな姿勢でも痛みがでて本当に大変ですよね。

今回は、気圧の変化とあわせて現代人に多く見られる「ストレートネック」との関係に注目しながら、首の痛みの真の原因に迫ってみたいと思います。

📚 目次

  1. 第1章|ストレートネック=“スマホ首”は現代病?

  2. 第2章|低気圧が加わると、なぜさらに悪化する?  └ ストレートネックの首にかかる負担とは
     └ 筋肉の緊張と血流の悪化
     └ 低気圧による体への影響

  3. 第3章|鍼灸でできること|首・背中・神経系へのアプローチ  └ 深層筋へのアプローチ
     └ 自律神経を整えるツボ刺激

  4. 第4章|セルフケア&予防のポイント|姿勢チェックがカギ!  └ 姿勢のセルフチェック方法
     └ 体幹トレーニングのすすめ
     └ スマホ・PCの使い方の見直し
     └ お風呂で血流改善&リラックス

  5. まとめ|「天気のせい」と思ったときこそ、自分の体を見直そう


第1章|ストレートネック=“スマホ首”は現代病?

本来、首の骨(頚椎)はゆるやかなカーブを描き、頭の重さをうまく分散してくれています。

ところが、スマホやパソコンの長時間使用、前傾姿勢のクセなどによって、そのカーブが失われ「まっすぐ」になってしまうことがあります。
これが ストレートネック と呼ばれる状態です。

この状態になると、頭部の重み(成人で約4〜6kg)を筋肉が直接支えなければならず、首や肩に常に緊張がかかりやすい状態になります。

「最近首が重いな…」と感じたら、まずはご自身の姿勢をチェックしてみてください。


第2章|低気圧が加わると、なぜさらに悪化する?

●ストレートネックの首にかかる負担

ストレートネック状態では、首の骨が前に傾き、まるで「長い竿の先に重いおもりがついている」ような不安定な状態になります。

筋肉は常に緊張し、硬くなり、血流も滞りがちに。

✅ストレートネックのイメージとして
・頭の重さで首の骨が体の前に傾いている状態
・大きなおもりが竿の先について前にしなってる状態

前方に傾いた姿勢と、おもりでしなる細い竿のイメージ図。ストレートネックの状態を比喩的に表現。

頭の重みで前に傾く首と、竿の先に重りがついてしなる状態の比較。

●支える筋肉はどうなる?

ストレートネック状態の首は、筋肉の緊張が慢性化しています。
だって、想像してください。

常に重い頭が体の前に出ていて、常にそれを支えているのは首の筋肉と肩の筋肉なのです。
ストレートネックじゃない人に比べると負荷が高くなるのは想像しやすいと思います。

●低気圧がさらに追い打ちをかける

雨が降る前、つまり低気圧が近づいてくるとき、体にはさまざまな変化が起こります。
低気圧が体に加わると、浮腫みや血流の悪化、頭部から首への圧力の増加が発生します。

  • 外気圧が下がることで、体が風船のように膨らみやすくなる

  • 血管が拡張し、むくみが起こりやすくなる

  • 自律神経が乱れ、副交感神経が優位に

ストレートネックで緊張状態にある筋肉は、こうした浮腫みや血流の悪化に非常に敏感に反応します。
結果、ズキズキ・重だるい・動かしにくいといった症状を引き起こしてしまうのです。


第3章|鍼灸でできること|首・背中・神経系へのアプローチ

三華堂では、こうした「姿勢の問題」+「天気の変化」の複合的な症状に対し、以下のような鍼灸施術を行っています。

◉深層筋へのアプローチ

表面だけでなく、首の奥深くにある緊張した筋肉を的確に緩める施術を行います。

首周囲の施術だけでなく、肩甲骨周囲や背中、腕など広範囲にアプローチすることで、動きや血流の改善を図ります。

◉自律神経を整えるツボ刺激

気圧の影響で乱れがちな自律神経にも配慮。
後頭部、背中、手足のツボを使って、副交感神経と交感神経のバランスを整え、体の回復力を高めていきます。


第4章|セルフケア&予防のポイント|姿勢チェックがカギ!

🔍まずは姿勢をチェック!

耳→肩→骨盤が一直線になるのが理想的な姿勢です。
もし首が前に大きく出ていたら、すでに猫背・ストレートネックの傾向があるかもしれません。

🔧腹筋・背筋を鍛える習慣を

姿勢が保てない方は腹筋・背筋が弱っている場合が多いです。
1日数分でもいいので、腹部を中心とした体幹トレーニングを取り入れましょう。

床の上で腹筋をしているイラスト

軽めにできる体幹トレーニングの一例。おうちで気軽に実践可能。

💡スマホの使い方を見直そう

  • スマホを見る位置を目線の高さに近づける

  • 長時間のうつむき姿勢を避ける

  • パソコン作業時のデスク・椅子の高さを調整

🛁お風呂でリラックス

湯船にしっかり浸かることで、首まわりの血流が改善し、筋緊張も和らぎます。


まとめ|「天気のせい」と思ったときこそ、自分の体を見直そう

首の痛みの原因は、決して「気圧のせい」だけではありません。
日常の姿勢のクセやスマホ使用、筋力の低下など、現代人の生活に深く関係していることがほとんどです。

でも逆に言えば、日常生活を少し見直すことで、体はちゃんと変わってくれます。

そしてその土台を整えるのが、私たち鍼灸師の役割でもあります。

「最近なんだか首がつらい」「雨の日はとくに不調」――
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

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