雨の日に悪化する首肩こりと頭痛|気圧変化と筋緊張の関係を鍼灸で整える

こんにちは、三華堂の早川です。

「雨の日になると、なんとなく首や肩が重だるい…」「頭がズーンと重い」――そんな不調を感じることはありませんか?

天気が悪くなる前に決まって体がつらくなる、そんな経験をお持ちの方は意外と多いです。実はこれ、天気の変化が自律神経や筋肉の状態に影響している可能性があります。

今回は、なぜ雨の日に首や肩のこりが強くなり、それが頭痛にまでつながるのか。そして鍼灸でできるケアやセルフケアについても分かりやすくご紹介していきます。

目次

  1. 気圧の変化と筋肉の関係

  2. 首・肩のこりが頭痛につながるメカニズム

  3. 鍼灸でできるアプローチ方法

  4. 患者様の声・症例紹介

  5. セルフケアのアドバイス

  6. まとめ|不調は我慢せず整える

 


気圧の変化と筋肉の関係

低気圧のとき、体の調子が崩れやすいのはなぜでしょうか?

それは、気圧の変化によって自律神経、特に副交感神経が過剰に反応してしまうことが原因と考えられています。
その結果、血管が拡張し、筋肉内に**むくみ(浮腫)**が起こりやすくなり、筋肉が硬くなってしまうのです。

気圧の低下により副交感神経が過剰に反応し、血管が拡張して筋肉にむくみが生じている人体の断面図イラスト。

副交感神経の過剰反応により、血管が拡張し筋肉がむくむ様子を示した図。

特に、首や肩の筋肉はストレスや気圧の影響を受けやすい部位です。

大気の変化と体の変化

大気の圧力が下がる(=低気圧が近づく)と、体の周囲からの押さえつけが減り、体は“ほんのわずかに”風船のように膨らみやすくなります。
すると、筋肉内の血管も広がり、血液やリンパ液、組織液が滞留しやすくなってむくみを引き起こします。

この状態が続くと、筋肉の可動性が低下し、血流も悪化。さらに、副交感神経が優位になることで「体がだるい」「重い」といった不調も出やすくなるのです。

浮腫むとどうなる?

浮腫んだ筋肉は可動性が悪くなるし、頭部や頸部の血管が浮腫むことで内側から圧迫され痛みが出てきます。

そしてこうした末梢の状態変化を受けて、副交感神経が優位に変化して、さらに体のだるさや重さも相まって、体調悪化に拍車をかける流れになると考えられます。


首・肩のこりが頭痛につながるメカニズム

首や肩がこると頭痛が出る――これは経験された方も多いのではないでしょうか?

各種コリからの頭痛は以下のような流れで頭痛が生じます。

  • 首肩の緊張から、頭部への血流に変化が起きる

  • 頭部や後頭部の血管がむくんで内側から圧迫される

  • 結果、後頭部・側頭部・目の奥にかけて頭痛が起こる

とくに首や肩に日常的な緊張がある方は、雨の日や梅雨時期に頭痛を悪化させやすい傾向があります。

雨の日や梅雨時期に悪化する理由

雨の日は先ほども伝えましたが低気圧からからだが風船のように膨らむ為、浮腫みが出やすくなります。

  • 雨の日頭部や頸部の血管、手足の血管 、筋肉内の血管の浮腫みが発生
  • 筋肉のコリや緊張感が風船のように膨らむ血管を押し付ける
  • 浮腫みによる血管膨張、緊張した筋肉がそれを押し付けることでより痛みが生じやすくなる
低気圧の影響により血管が浮腫み、筋肉の緊張によって血管が圧迫されて痛みが発生している女性のイラスト

低気圧によって血管が浮腫み、筋肉の緊張がそれを押し付けることで「痛み」が起こるメカニズムを図解しています。

筋緊張がある人はこうした流れに陥りやすくなります。もし仮に筋の緊張が少なければ、風船のように膨らんだ血管が人体の外へ押し出されたとしても、柔軟に皮膚や筋肉が伸びてくれます。

こうした事から圧力が外へ逃げやすく痛みが生じにくくなると僕は考えます。


鍼灸でできるアプローチ

三華堂では、こうした気圧変化による不調に対して、以下のような施術を行っています。

  • 首・肩の深部筋への鍼施術で筋緊張をやわらげ、血流を改善
    ※首や肩に対して多数の鍼を用いて、原因となる箇所を刺激していきます

  • 自律神経の調整を目的とした経絡へのアプローチ
    ※自律神経は脊柱や後頭部、仙骨にあります。これらも同時に鍼で刺激します。

  • 必要に応じて、全身のバランスを見ながら調整を行う
    ※手足のツボも必要に応じて利用します。

特に首肩の緊張と頭部への血流の乱れが原因となるタイプの頭痛には、鍼灸による深層筋へのアプローチが非常に効果的です。


患者様の声・症例紹介

一週間で頭痛がほぼ毎日出ている患者様がいました。

薬も毎日飲んでおり、こうした生活を続けている事に不安を感じて来院するというケースもよくあります。

頭痛がある人は日常生活での負担も大きいケースが見受けられます

・仕事が多すぎて疲れている
・勉強を夜遅くまで行っている
・残業が多い

こうしたケースの場合は当然生活改善も行う事で、頭痛の頻度を減らしていく事に繋がります。

そして鍼灸を織り交ぜて対応する事で2週間に一度くらいの頭痛の頻度に落ち着く事が多いと感じます

 


セルフケアのアドバイス

気象病を少しでも軽減するためには、日頃のセルフケアも重要です。

  • 雨の日は首・肩を冷やさないようにしましょう
     →スカーフやホットタオルなどを活用して温めましょう。

  • ぬるめのお風呂に入る
     →副交感神経を落ち着かせて、筋肉の緊張をゆるめます。

  • 睡眠の質を整える
     →夜更かしはNG。一定のリズムで眠ることが自律神経を整える鍵です。12時から1時までには就寝をしましょう

  • 無理のないストレッチや軽い体操
     →血流を促し、筋肉の柔軟性を保ちましょう。※ぎっくり腰等痛みがある時は控えましょう


まとめ|雨の日の不調は鍼灸でやわらげられます

気象の変化による体調不良は、放っておくと慢性化してしまうこともあります。
「たかが天気のせい」とあなどらず、自分の体の声に耳を傾けてあげてください。

三華堂では、気象病による首肩のこりや頭痛、全身のだるさなどに対して、鍼灸を通じてやさしくアプローチをしています。
お悩みの方はぜひ一度、ご相談くださいね。


このあと、「季節の変わり目と自律神経」「気象病と片頭痛」など、さらにテーマを絞った解説記事も予定しています。
次回もどうぞお楽しみに!